Netflixって麻薬犯罪ドラマ多いですよね。
「ナルコス」に「エルチャポ」、韓国系でソン・ガンホ「麻薬王」に「ナルコの神」。最近だと「グリセルダ」。フィクションやドキュメンタリーも含めたらキリがありません。
そんな麻薬犯罪ドラマシリーズを楽しむために
「ナルコス:メキシコ」と「エル・チャポ」登場のメキシコの実在ナルコについて学ぼう!
ということで以下、私の学習レポートです!
※ナルコとはメキシコで麻薬密売人のことを言う
ペドロ・アビレス・ペレス (Pedro Aviles Perez)
ナルコス:メキシコ自己中災いして悲しいことに。
1931年生まれ
通称エル・レオン・デ・ラ・シエラ(El Leon De La Sierra)…山のライオン(ピューマ?)
ミゲル・アンヘル・フェリクス・ガジャルドやラファエル・カロ・キンテロ、エルネスト・フォンセカ・カリージョらが所属したメキシコ麻薬密売黎明期の組織のボス。
マリファナ・ヘロイン密輸でシナロア州で頭角を現した。ナルコ第一世代
1978年にメキシコ連邦政府によって射殺された。その後、組織はエルネスト・フォンセカ・カリージョに引き継がれた。
エルネスト・フォンセカ・カリージョ (Ernesto Fonseca Carrillo)
ナルコス:メキシコ最初はいけ好かない感じだったがだんだん味が出てくるジジイ
1930年生まれ
通称ドン・ネト(Don Neto)
メキシコ麻薬密売黎明期の麻薬王ペドロ・アビレス・ペレスの元で働きペレス死後、組織を引き継ぐ
その後グアダラハラ・カルテルの創設主要メンバーの一人に。
アマド・カリージョ・フエンテスの叔父。
1985年に捜査官キキ・カマレナを誘拐した容疑で逮捕され懲役40年、現在は自宅軟禁中。
ミゲル・アンヘル・フェリクス・ガジャルド (Miguel Angel Felix Gallardo)
ナルコス:メキシコシーズン1~2の主人公。
エル・チャポ主人公チャポからすると雲の上の存在
「ナルコス:メキシコ」が彼の投獄までを主軸に描くのに対し「エル・チャポ」は彼の投獄以後の騒動をメインに描いている
1946年生まれ
シナロア州警察の警官を経て麻薬取引の世界へ。
メキシコ麻薬密売黎明期の麻薬王ペドロ・アビレス・ペレスの元で頭角を現した。
シナロアからメキシコ第二の都市グアダラハラへ拠点移動、
「プラサ」と呼ばれる独立した縄張りを束ねた連盟(フェデラシオン)を結成しグアダラハラ・カルテルを創設した。
コロンビア、メデジン・カルテルの麻薬王パブロ・エスコバルとの太いパイプを持つことで
メキシコ経由のコカイン取引を一手に仕切るメキシコ麻薬カルテル界の帝王となる
通称「ボスの中のボス」、「エル・パドリーノ(ゴッドファーザー)」
ティグレス・デル・ノルテの「Jefe de Jefes(ボスの中のボス)」という曲も彼のことを歌ったものだと言われている。※ナルコについての歌をナルココリード(narcocorrido)、ファッションをブチョネス(buchones)という。
フェリクスは1989年、麻薬取締局(DEA)捜査官キキ・カマレナの殺害を指示した容疑で逮捕され
ティフアナはフェリックス兄弟(後にティフアナ・カルテルに分裂)
シウダー・フアレスはアマド・カリージョ・フエンテス(フアレス・カルテル)
ソノラをミゲル・カロ・キンテロ(ソノラ・カルテル→のちに消滅)
太平洋沿岸はホアキン・グスマン(後にシナロア・カルテルに分裂)
がそれぞれ支配した。
この大ボス不在によって起こる群雄割拠こそメキシコ麻薬戦争の始まり。
ラファエル・カロ・キンテロ (Rafael Caro Quintero)
ナルコス:メキシコグアダラハラ・カルテル初期最大の功労者であり最大のトラブルメーカー。
1952年生まれ
ミゲル・アンヘル・フェリクス・ガジャルドの部下
メキシコ麻薬密売黎明期の麻薬王ペドロ・アビレス・ペレスの元で働き
その後グアダラハラ・カルテルの創設主要メンバーの一人に。
1985年に捜査官キキ・カマレナを誘拐、拷問、殺害の容疑で逮捕。
2013年に突如釈放されるも怒ったアメリカ政府の圧力で再度指名手配され2022年逮捕。
現在米国への引渡しが保留中
アマド・カリージョ・フエンテス (Amado Carrillo Fuentes)
ナルコス:メキシコシーズン3の主人公。
エル・チャポではチャポの邪魔する嫌味なヤツ。
1956年生まれ
エルネスト・フォンセカ・カリージョ(ドン・ネト)の甥。
チワワ州シウダー・フアレスを拠点にしているフアレス・カルテルの副司令官であったが創設者ラファエル・アギラールを暗殺しフアレス・カルテルのボスに。
空路で麻薬密輸を確立し大量のプライベートジェットを所有したことから別名「空飛ぶ麻薬王」
1997年、激化する抗争とメキシコ・米国の捜査を逃れるため整形手術を行うが手術の失敗で合併症を起こして死亡。
シウダー・フアレスといえば「ボーダーライン(2015)」や「皆殺しのバラッド(2013)」でもその凶悪さ加減が描かれた街。
ビセンテ・カリージョ・フエンテス (Vicente Carrillo Fuentes)
ナルコス:メキシコアマドの脇にちょこちょこ出現
エル・チャポチェンテ(Chente)の名で登場。シナロア連合だったがチャポの裏切りによって対立。
1962年生まれ
通称エル・バイスロイ(El Viceroy)…副王、代理
アマド・カリージョ・フエンテスの弟。エルネスト・フォンセカ・カリージョ(ドン・ネト)の甥。
1997年にアマドが死亡しフアレス・カルテルのボスに。
2014年に逮捕
ホアキン・グスマン (Joaquin Guzman)
ナルコス:メキシコシーズン1~2はまだ若手、シーズン3ぐらいから頭角を現す。
エル・チャポタイトルの通り主人公。
1957年生まれ
通称エル・チャポ(El Chapo)…チビの意味
シナロア州を拠点とするシナロア・カルテルのボス。後に史上最大の麻薬王となる人物。
アメリカからは「公衆の敵ナンバーワン」と名指しされている。
1993年に逮捕。プエンテ・グランデ刑務所に収監されるも2001年に脱獄。
2014年に逮捕。エル・アルティプラーノ刑務所に収監されるも2015年に脱獄。
地下トンネルを用いた2度目の脱獄はとても話題に。
そして2016年シナロア州で逮捕。アメリカに移送され2024年現在はADXフローレンス刑務所に収監。
イスマエル・サンバダ・ガルシア (Ismael Zambada Garcia)
ナルコス:メキシコホアキン・グスマンと手を組む海路ルートを担う人物。
エル・チャポシナロア・カルテル大幹部でホアキン・グスマンの右腕的存在。
1948年生まれ
通称エル・マヨ(El Mayo)
シナロアの歴代大物マフィアのもとで働き、ホアキン・グスマン投獄中のシナロア・カルテルを支えた人物。
ホアキン・グスマン後継者と目され現在のシナロア・カルテルのボスといわれている。
laughing my ass off(大笑い) → LMAO → El mayo なのかな?知ってる人教えてください。
2024年現在逃亡中
Netflixドキュメンタリーシリーズ「世界の最重要指名手配犯を追う」第一話で彼の特集をしている。
https://www.netflix.com/jp/title/81013210
アルトゥーロ・ベルトラン・レイバ (Arturo Beltran Leyva)
エル・チャポいろいろチャポのために尽力するも不遇。そして大暴走。チャポが悪い気がする。
1961生まれ ホアキン・グスマンとは同郷の幼馴染。
シナロア・カルテルの幹部。
のちにホアキン・グスマンと対立しベルトラン・レイバ・カルテル(モレロス州クエルナバカ拠点)のボスに。
戦闘部隊「ロス・ネグロス」を組織
2009年メキシコ海軍により殺害された。
ベンジャミン・アレジャノ・フェリクス (Benjamin Arellano Felix)
ナルコス:メキシコシーズン3ぐらいから徐々にホアキン・グスマンと揉めだす。
エル・チャポ覇権をめぐりホアキン・グスマンと抗争。大体ラモンの暴走のせいなので可哀そうな人。
1952年生まれ
バハ・カリフォルニア州ティフアナを支配するティフアナ・カルテルのボス。アレジャノ兄弟(7人兄弟、4人姉妹)
ミゲル・アンヘル・フェリクス・ガジャルドの甥。
もともとの拠点がシナロア州でありホアキン・グスマンともグアダラハラ・カルテルのメンバーとして共に活動していたがグアダラハラ・カルテルがシナロア・カルテルとティファナ・カルテルに分裂し対立が始まる。
2002年メキシコのプエブラ州で逮捕。アメリカに移送され2024年現在はUSP Lee刑務所に収監。
ラモン・アレジャノ・フェリクス (Ramon Arellano Felix)
ナルコス:メキシコ若い。だんだん暴走。
エル・チャポ困った人。ヤクネタ。
1964年生まれ
ベンジャミン・アレジャノ・フェリクスの弟。
ミゲル・アンヘル・フェリクス・ガジャルドの甥。
カルテル執行部門のリーダーであり組織内で最も冷酷であったとされている。
毛布にくるんだ死体に声明文をつけて街頭に放置する「エンコビハード(encobijado)」と言われる残虐な手口もラモンが先駆けとのこと。
2002年、ホアキン・グスマンの指示によりシナロア州マサトランで暗殺される。
オシエル・カルデナス・ギレン (Osiel Cardenas Guillen)
エル・チャポラシエルという名前で登場。フアレス・カルテルのチェンテと組んでチャポを狙う人物
1967年生まれ
仲間を出し抜き勢力を伸ばしたことから通称エル・マタ・アミーゴス(El Mata Amigos)…ダチ殺し
ガルフ・カルテル最高幹部 ロス・セタスの創設者。
2003年逮捕→アメリカに移送され収監
ガルフ・カルテル(Gulf Cartel)
禁酒法時代よりアルコール密輸を手掛けた古くから存在するタマウリパス州マタモロス拠点の地場組織だった。1997年ガルフ・カルテルのリーダーの座についたオシエル・カルデナス・ギレンが激化するカルテルの抗争に対抗するためメキシコ空軍特殊部隊GAFEの隊長アルトゥーロ・グスマン(Z1)をスカウトしロス・セタス(Los Zetas)を結成した。ロス・セタスはのちに独立。
エリベルト・ラスカノ (Heriberto Lazcano)
エル・チャポカノ(El Cano)という名前で登場。戦闘集団エメスのボス
1974年生まれ
通称エル・ベルドゥーゴ(El Verdugo)…死刑執行人
アルトゥーロ・グスマン(Z1)が2002年メキシコ軍に殺害された後、ロス・セタスのボスを引き継いだ人物(コードネーム:Z3)
組織強化のためグアテマラの特殊部隊カイビレス(kaibiles)出身者をスカウト。左翼ゲリラを震え上がらせた「殺しと脅しの秘伝」でロス・セタスを超ド級の残虐集団に変容させた張本人。
2012年メキシコ海軍との銃撃戦で死亡。
ナサリオ・モレノ・ゴンザレス (Nazario Moreno Gonzalez)
エル・チャポガルフ・カルテルの同盟関係にあったが分離、シナロア・カルテルにつく。
1970年生まれ
通称はエル・マス・ロコ(El Más Loco)…最悪の狂人
ミチョアカン州のファミリア・ミチョアカーナのボス。
カルトな宗教団体のような側面を持ちつつ覚せい剤が主力のカルテル。
このファミリア・ミチョアカーナから派生したテンプル騎士団と対抗するためできた自警団組織との闘争が「カルテル・ランド(2015)」で描かれていたりする
2014年メキシコ海軍により殺害
サンドラ・アビラ・ベルトラン (Sandra Avila Beltran)
ナルコス:メキシコイザベラ・バティスタ(Isabella Bautista)という名前で登場。
メキシコとコロンビアのコカイン・カルテルの橋渡し役として大いに貢献する女性。
結構頑張ってるのにあんまり報われない感じでせつない。
1960年生まれ
ミゲル・アンヘル・フェリクス・ガジャルドの姪。
太平洋の女王(The Queen of the Pacific)と呼ばれたカリスマ女性麻薬密輸業者。
2007年に逮捕。
一記事なが!
ナルコス:メキシコ Netflix
https://www.netflix.com/title/80997085
エル・チャポ Netflix
https://www.netflix.com/title/80133042