私は全知全能の神なんて今のところ信じていないし
もし仮にいるのならホロコーストも原爆投下も止めない神なんて、なんか意味あるの?と思ってる方だ。
輪廻転生も、天国も地獄もフィクションなら楽しいねぇって程度。
そんな私でも正月は祝うし、死ねば私の意志とは関わりなく近所の菩提寺で葬式があげられる。(実家のド田舎で「私は無宗教だ」と宣言する事の面倒さぐらいは心得ている)
いま現在の人間社会で宗教や信仰に一切関わらない生活もなかなか難しいんではないだろうか。
一方、道徳としての仏教観には私も共感もするし
それをもってして心の安定を得られるのなら別に誰が何の信仰を持っていようが人それぞれだって思ってもいます。
でも私は「自分がまったく信じていないモノ」がこれだけ世界中で信じられているのが不思議でしょうがない。
ググったところ無宗教の人は世界人口の約16%だそうです。
ということは全人口の84%は何かしらの宗教を信じているわけだ。なんでかなぁ
「ルポ アフリカに進出する日本の新宗教 増補新版」はそんな疑問に比較的にニュートラルに迫っている書籍ではないだろうか
ルポ アフリカに進出する日本の新宗教 増補新版
『コンゴ、ウガンダ、ガーナ、ブルキナファソ、コートジボワール……アフリカ各国で著者が出会ったのは、なんと日本の新宗教を信じる現地住民たちだった。統一教会、創価学会、真如苑、崇教真光、幸福の科学、ラエリアン・ムーブメント、天理教などを信じる彼らの生活や思い、現地での実像や人気の理由に迫る、唯一無二のルポ。』
2016年に出版された「ルポ アフリカに進出する日本の新宗教」を2024年に新章を追加し文庫化された書籍、とても面白いです。
宗教のならびを見ればお分かりの通り「日本の新宗教」とあるが日本発祥以外の宗教のルポも。
まえがきで言及されるように
アフリカでの布教活動とともに展開される学校・病院建設や地域貢献(お金)の原資は、本国の信者によるものであろうし
その原資の獲得過程に問題を抱える宗教団体もあるんだろうけど
そういうものがたぶんまだないアフリカ大陸での布教は一種純粋にも見えなくもない。
と同時に作中語られる現地人の「御利益信仰」も多分にある気がした。実際はどの程度信じているんだろうか。
などという現地での新宗教の様子も興味深かったが
わたしはそれぞれ布教活動を現地で行った日本人たちの描写が面白かった。
日本から遠く離れたアフリカの奥地で悪戦苦闘するその姿はなんか某局のクレイジージャーニーみたいだなと。
まぁある意味こっちが元祖か。
ルポ アフリカに進出する日本の新宗教 増補新版