アラスカから南米南端チリまでを陸路でつなぐ、全長約48,000kmにもおよぶ幹線道路パンアメリカンハイウェイ。
そんな世界最長級ルートで唯一約87kmに渡って断絶(Gap)している箇所がダリエン地峡(Darien Gap)と呼ばれる場所です。
パナマとコロンビアの間に広がる未開発の密林・山岳・湿地帯であり、インフラ整備が困難なため車両では通行できず、空路を使えない難民は数日かけて徒歩で越えなければならない非常に危険な地域です。
そんなアメリカ入国への最難関ダリエン地峡を扱ったドキュメンタリー。
死に向かって生きる〜アメリカを目指す中国人“走線者”〜(2025)

NHK BSスペシャル
南米ルートでアメリカに密入国した「走線者」と言われる中国人難民を追ったドキュメンタリー。
中国政権による厳しい締めつけから逃れ危険なジャングルを越えやっとたどり着いたアメリカ。
難民として一時保護されるも、トランプ政権による不法移民対策の本格化によって厳しい現実が迫る。
ダリエン地峡自体は走線者たちの撮影した映像のみ
NHKオンデマンド
走線 Walk the Line(2023)

WHYNOT WAINAO(アメリカを拠点に中国語で発信するニュースメディア。)
こちらもアメリカに入国を目指す「走線者」を追ったドキュメンタリー。
「走線者」がどうやって南米入りするのかなどの詳細もあって分かりやすい。
中南米の人たちが日銭を稼ぎながら長期間かけて移動するのに対し、中国人はもてる財力を駆使して短期間で一気に移動する感じがしますねぇ
Youtubeで視聴可
ダリエン・ルート 死のジャングルに向かう子どもたち(2023)

TBS
今やグロ動画のエグさがメキシコ麻薬カルテルに匹敵するヤヴァさでお馴染みの国ハイチですが
2010年の「ハイチ大地震」によりインフラ壊滅、国家統治能力が大きく低下しギャングに支配された地域も存在、
2021年大統領が武装集団に暗殺されるという事件が発生するなど社会基盤がメチャクチャな模様です。
そんな混迷の祖国ハイチを逃れ南米ルートでアメリカを目指そうとする家族を追ったドキュメンタリー。
ダリエン地峡の密着はパナマとの境界まで。
アマプラで視聴可
Darien Gap 2021 A Haitian Exodus(2021)

CBS News
ダリエン地峡を越えを目指すグループに密着したドキュメンタリー。
「ハイチ人の脱出(Haitian Exodus)」というタイトルのわりにメンバーはイラン、インド、スリランカ、ネパールなど多国籍。
ジャングル越え丸ごと密着。他作品の越境者に比べてけっこう軽装だったのが印象的。
Youtubeで視聴可
Migrating to the US through the deadly Darien Gap(2024)

Al Jazeera
アルジャジーラのFault LinesというTVドキュメンタリーシリーズの一作
ギャングの暴力から逃れるため故郷エクアドルを離れアメリカを目指す一家のダリエン地峡越えに密着。
途中で子供がはぐれちゃってとにかく終始気が気じゃない。
Youtubeで視聴可
そもそもなんでこんな危険なルート通らなけりゃいかんのかといえば、空路で飛び越えようにも、近年増加する不法移民に対してアメリカが周辺各国に圧力をかけたため、ビザが出ない→ビザがいらなかったり発給が緩かったりする南米から陸路で密入国するしかない。ということだそうで、ルートや方法も頻繁に変化しているそうですが難民がアメリカ入国を目指す一般的な陸路での南米ルートは
コロンビア → (ダリエン地峡)→パナマ → コスタリカ → ニカラグア → ホンジュラス → グアテマラ → メキシコ → アメリカ
だそうです。
一方、アメリカの立場で見れば、沢山の人達にガンガン密入国されるのをノーガードというわけにもいかないのでホントどうすればいいんですかね。
やっぱ根本の問題として自国から「移民せざるを得ない」状況がなくなるのがベストだと思うんだけど…
ギャングなどの治安面で難民が発生している国に関しちゃもうCECOTなんかもアリなんじゃないかと思ってしまったり。
余談だけどCECOTの「社会復帰させないことが前提」って凄いワードだよなぁ