本当にあった死霊館
The Sleepless Unrest: The Real Conjuring Home (2021)
映画『死霊館』の舞台となった家にドキュメンタリー映画監督のケンダル&ヴェラ・ウェルプトン夫妻が、超常現象研究者らと共に、2週間滞在し調査をする。
U-NEXTに転がってたのでなんとなく見たんですが
死霊館のガチオタクが「今、音したかも!」とキャッキャさわいでるだけで検証も考察もへったくれもない内容で、ドキュメンタリーというより単なるファンムービーだったので
ちょっと『死霊館』の被害者家族ペロン一家について&こういうのが製作されるに至った背景を調べてみました。
そもそものウォーレン夫妻についてと、『死霊館 悪魔のせいなら、無罪』で描かれた「アーニー・ジョンソン事件」についてはこちらの記事をご参照あれ
ペロン一家 The Perron Family
ペロン一家は、夫ロジャー、妻キャロリン
5人の娘、アンドレア、ナンシー、クリスティン、シンディ、エイプリルからなる7人家族。
1971年 | ペロン一家が1971年1月アメリカのロードアイランド州ハリスヴィルという田舎町にある古い農家を購入。 |
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入居した翌日から一家に奇怪な現象が次々と発生するようになる。
妻のキャロリンは超常現象研究家として名高いウォーレン夫妻に助けを求め調査が開始される。
(娘アンドレアによると、ウォーレン夫妻は騒動を聞きつけた超常現象研究グループに連れてこられ、ある日突然、家にやって来たそうです。)
ウォーレン夫妻の調査によると
ペロン一家の購入したは家は、植民地時代に建築されジェドソン・シャーマンという人物が所有していた農家であった。
ジェドソンの妻バスシーバ・シャーマンは悪魔崇拝者で、生後7日目の我が子を悪魔の生け贄にしようとしたのを夫に見つかり近くの巨木に登り、「この土地を奪う者は呪ってやる」と叫んで首つり自殺を遂げた。(彼女の死亡時刻は午前3時7分でした。)
この農家ではその後多くの住人が不可解な不審死を遂げた。
とのこと。(↑もちろん真偽不明)
映画ではウォーレン夫妻の活躍により事件は解決したが
実際にはウォーレン夫妻は家族に取り憑いている霊と交信しようと降霊会を催したが夫ロジャーは家族の精神状態を心配し、ウォーレン夫妻を追い出した。
ペロン一家は1980年に引っ越すまでその家に住み続けたが、その後は幽霊現象もなくなったという。
ウォーレン夫妻は、一家を苦しめていたのはバスシーバ・シャーマンの霊だと主張していたが
近年、多くの歴史家が(そして後述する書籍を出したアンドレアも)バスシーバの歴史を調査し、バスシーバが悪魔崇拝者だというのは誤っている可能性が高いことが判明している。
その後
1980年 | シュワルツ家が農家を購入。 |
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1987年 | ノーマ・サトクリフが農家を購入。とくに何事もなく平和に暮らしていた。 |
2011年 | ペロン一家の娘アンドレアが『House of Darkness: House of Light』という本を執筆し、それが映画の着想の元になる |
2013年 | 『死霊館』映画化。 アンドレアは『死霊館』以降、数多くの超常現象番組に出演。 ロードアイランド州の農家(以下:死霊館ハウス)が観光名所に。 |
2015年 | 映画のせいで聖地化した死霊館ハウスに侵入者や器物破損が相次いだため所有者が映画製作関係者を訴えた。 詳細不明だが訴訟は2017年12月に却下された。 |
2019年 | 超常現象研究者のジェニファー&コリー・ハインツェン夫妻が、約43万ドルで死霊館ハウスを購入。 夫妻によると死霊館ハウスでは怪奇現象が確認された、しかし霊は一度も夫妻に危害を加えることはなかったそうです。 夫妻は死霊館ハウスの調査と日帰りツアーが出来るビジネスを開始する。 |
2022年 | 死霊館ハウスが120万ドルで売りに出され最終的にボストンの不動産開発業者のジャクリーン・ヌニェスが152万ドルで購入。 現在、死霊館ハウスの敷地内は3~4人用のテントが複数設置され1泊300~400ドルで提供されている。 ゴースト+キャンピングでガンピングというらしい…レジャー化しとるやんけ The Conjuring House |
1980年の騒動以来、30年以上は何もなかったのに『死霊館』で話題になって購入されて以降、心霊現象再開!現在はツアーで大盛況!って、アメリカの実話系ホラーって深掘りすると大体お金の話になるよね
本当にあった死霊館(U-NEXT)
これといってお薦めでもない。
見どころといえば2019年購入者のハインツェン夫妻のご尊顔が拝めるくらいかなぁ