米連邦議会議事堂襲撃事件

米大統領選挙でドナルド・トランプが勝利しましたね。予想外。
とある論評で見たのですが

『分断は駄目な事と否定したところで原因がある限り続く
分断している事を受け入れ、分断の要因となる事象を調整し二項対立が極端な排斥活動に移行しないようコントロールしてゆくのがこれからの政治の役割だ。』
なんて言っているのを聞いて「なるほどなぁ」なんて思たんですが

2021年に起きた「分断」の象徴的な出来事「アメリカ連邦議会議事堂襲撃事件」を追ったドキュメンタリー

The Insurrectionist Next Door

連邦議会を襲った隣人
The Insurrectionist Next Door(2023)

米連邦議会議事堂襲撃事件で起訴された人々に迫るドキュメンタリー
あの日、彼らは何のためにワシントンにやってきたのか、そして事件以来、考え方はどのように変化したのか、あるいは変わっていないのか。トランプ支持者の素直な思いを聞き出すと共に、米国社会を分断させている文化的、政治的な問題も浮き彫りにする。

旅行感覚でワシントンに来てノリで襲撃しちゃった人から極右団体「プラウド・ボーイズ」の関係者まで襲撃者のその後のお話。

公判中だったり、これから服役予定でカメラの前でイキってもメリットゼロな為か大人しいトランプ支持者たち。
(襲撃事件の時にカメラの前やSNSでイキった結果特定されての現状だし)
自身の生い立ちの不遇さを皆一様に言い訳に使うのもなんだかなぁと思うわけですが

鬼の首を取ったかのように煽りまくるインタビュアーも印象的。
このインタビュアー、アレクサンドラ・ペロシは民主党の重鎮、元下院議長ナンシー・ペロシの娘。
なんとなく言葉の節々に「おまえら無知なトランプ支持者は」感が感じられます。

ドキュメンタリーの趣旨としては哀れなトランプ支持者の末路感を出したかったんでしょうが
どうにも上から目線の態度や「その後の選挙結果」を知っていると
そういうのが結果に繋がったんではないのかと思わんでもない作品。

連邦議会を襲った隣人(U-NEXT)

※追記
2025年こうなった。
トランプ氏、議事堂襲撃の1500人に恩赦 極右団体の指導者を減刑(CNN)

Q: INTO THE STORM

Qアノンの正体
Q: INTO THE STORM(2021)全6話

米連邦議会襲撃事件に大きく影響したとされる陰謀論Qアノンを追うドキュメンタリー

Qアノンの展開された匿名掲示板8chan(現・8kun)オーナーであり
Qアノンの提唱者Qとも噂されるジム・ワトキンスと息子のロン・ワトキンスの実像に迫る。

ジム・ワトキンスがQかどうかは判断しかねるが
2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)のオーナー、ジム・ワトキンスってこんな感じの人なのかというワトキンス親子のドキュメンタリーとして面白い。

Qアノンの正体(U-NEXT)

The Antisocial Network

アンチソーシャル・ネットワーク: 現実と妄想が交錯する世界
The Antisocial Network: Memes to Mayhem(2024)

ドキュメンタリー「フィールズ・グッド・マン」制作スタッフによる作品
匿名の掲示板サイトが、いかにして現実社会に騒乱を巻き起こす反社会的活動の拠点へと発展していったのか、その過程を探る

匿名掲示板「2ちゃんねる」や「ふたばちゃんねる」を模倣してアメリカに登場した4chan、そして8chanへの流れと、ネットミーム、アノニマス、Qアノンなどの事象を調査するドキュメンタリー

どちらかっていうと匿名掲示板の成り立ちやアノニマスの話って感じ。

アンチソーシャル・ネットワーク: 現実と妄想が交錯する世界(Netflix)

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2024/12/14

本当にあった?死霊館About Conjuring House

本当にあった死霊館

本当にあった死霊館
The Sleepless Unrest: The Real Conjuring Home (2021)

映画『死霊館』の舞台となった家にドキュメンタリー映画監督のケンダル&ヴェラ・ウェルプトン夫妻が、超常現象研究者らと共に、2週間滞在し調査をする。

U-NEXTに転がってたのでなんとなく見たんですが
死霊館のガチオタクが「今、音したかも!」とキャッキャさわいでるだけで検証も考察もへったくれもない内容で、ドキュメンタリーというより単なるファンムービーだったので
ちょっと『死霊館』の被害者家族ペロン一家について&こういうのが製作されるに至った背景を調べてみました。

そもそものウォーレン夫妻についてと、『死霊館 悪魔のせいなら、無罪』で描かれた「アーニー・ジョンソン事件」についてはこちらの記事をご参照あれ


ペロン一家 The Perron Family

ペロン一家は、夫ロジャー、妻キャロリン
5人の娘、アンドレア、ナンシー、クリスティン、シンディ、エイプリルからなる7人家族。

1971年 ペロン一家が1971年1月アメリカのロードアイランド州ハリスヴィルという田舎町にある古い農家を購入。

入居した翌日から一家に奇怪な現象が次々と発生するようになる。
妻のキャロリンは超常現象研究家として名高いウォーレン夫妻に助けを求め調査が開始される。
(娘アンドレアによると、ウォーレン夫妻は騒動を聞きつけた超常現象研究グループに連れてこられ、ある日突然、家にやって来たそうです。)

ウォーレン夫妻の調査によると
ペロン一家の購入したは家は、植民地時代に建築されジェドソン・シャーマンという人物が所有していた農家であった。
ジェドソンの妻バスシーバ・シャーマンは悪魔崇拝者で、生後7日目の我が子を悪魔の生け贄にしようとしたのを夫に見つかり近くの巨木に登り、「この土地を奪う者は呪ってやる」と叫んで首つり自殺を遂げた。(彼女の死亡時刻は午前3時7分でした。) この農家ではその後多くの住人が不可解な不審死を遂げた。

とのこと。(↑もちろん真偽不明)

映画ではウォーレン夫妻の活躍により事件は解決したが
実際にはウォーレン夫妻は家族に取り憑いている霊と交信しようと降霊会を催したが夫ロジャーは家族の精神状態を心配し、ウォーレン夫妻を追い出した。
ペロン一家は1980年に引っ越すまでその家に住み続けたが、その後は幽霊現象もなくなったという。

ウォーレン夫妻は、一家を苦しめていたのはバスシーバ・シャーマンの霊だと主張していたが
近年、多くの歴史家が(そして後述する書籍を出したアンドレアも)バスシーバの歴史を調査し、バスシーバが悪魔崇拝者だというのは誤っている可能性が高いことが判明している。

その後

1980年シュワルツ家が農家を購入。
1987年ノーマ・サトクリフが農家を購入。とくに何事もなく平和に暮らしていた。
2011年ペロン一家の娘アンドレアが『House of Darkness: House of Light』という本を執筆し、それが映画の着想の元になる
2013年『死霊館』映画化。
アンドレアは『死霊館』以降、数多くの超常現象番組に出演。
ロードアイランド州の農家(以下:死霊館ハウス)が観光名所に。
2015年映画のせいで聖地化した死霊館ハウスに侵入者や器物破損が相次いだため所有者が映画製作関係者を訴えた。
詳細不明だが訴訟は2017年12月に却下された。
2019年超常現象研究者のジェニファー&コリー・ハインツェン夫妻が、約43万ドルで死霊館ハウスを購入。
夫妻によると死霊館ハウスでは怪奇現象が確認された、しかし霊は一度も夫妻に危害を加えることはなかったそうです。
夫妻は死霊館ハウスの調査と日帰りツアーが出来るビジネスを開始する。
2022年死霊館ハウスが120万ドルで売りに出され最終的にボストンの不動産開発業者のジャクリーン・ヌニェスが152万ドルで購入。
現在、死霊館ハウスの敷地内は3~4人用のテントが複数設置され1泊300~400ドルで提供されている。
ゴースト+キャンピングでガンピングというらしい…レジャー化しとるやんけ
The Conjuring House(※サイト無くなってた)

1980年の騒動以来、30年以上は何もなかったのに『死霊館』で話題になって購入されて以降、心霊現象再開!現在はツアーで大盛況!って、アメリカの実話系ホラーって深掘りすると大体お金の話になるよね

本当にあった死霊館(U-NEXT)
これといってお薦めでもない。
見どころといえば2019年購入者のハインツェン夫妻のご尊顔が拝めるくらいかなぁ

2025年追記

2024年ロードアイランド州ハリスヴィル市に事業免許の更新を拒否され2024年12月に閉館

労災保険に加入していないとかヌニェス氏の不法行為とかいろいろ問題を抱えていた模様。
罰があたった?

The Conjuring House closed after police visit infamous haunted house

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2024/12/06

トゥルー・ディテクティブTRUE DETECTIVE

どんな映画やドラマも「つかみ」が大事
つかみよければ全て良し(とまでは言い切らないが)
とくにドラマは最初の「つかみ」が微妙だとコンテンツ過多な時代においては継続するのが難儀な今日この頃

画期的な酷い殺し方、びっくり拷問
ビシャビシャ景気よく血が噴き出るとワクワクしちゃうよね

猟奇殺人ジャンルなんかでは「どれだけインパクトのある死体が出せるか」を重要視してまして
かつては「羊たちの沈黙」「セブン」「ハウス・ジャック・ビルト」なんかでグッと心を鷲づかみされたものです。

そんな死体のつかみが最高な作品がドラマが「TRUE DETECTIVE」(シーズン1と4)

TRUE DETECTIVE

犯罪捜査ドラマシリーズ。4シーズン

各シーズンごとに舞台地、出演者総入れ替えで毎シーズン豪華俳優が登場
未解決殺人事件の深い闇に引きずり込まれる刑事の物語。

シーズン通しての大雑把な概要としては
『清廉潔白でもないし、相棒とは出自も違えば気も合わない、ただし「あの事件の犯人だけは許さない」というただ一点において合致し事件究明にのぞむ刑事の話』 って感じ。

Season.1

TRUE DETECTIVE

お薦め度 ★★★★★
豪華!マシュー・マコノヒー、ウディ・ハレルソン

ルイジアナ州で起きた猟奇殺人を捜査する二人の刑事の物語。
過去(1995年)に起きた事件の捜査に関する聞き取り(2012年)というカタチで物語が進行し経緯が明らかになるにつれ、事件はまだ解決していないのではないかという疑惑が浮かび上がっていく。

TRUE DETECTIVEはシーズン3においてシーズン1の事件に言及があったので世界は同一線上ではあるようです。
しかし話自体は別地域、別人物、別年代なのでどのシーズンから見始めてもまぁ大丈夫なんですが
どれがオススメかと聞かれたらまずこのシーズン1。

インパクト大の死体でつかみは完璧、南部の荒涼としたハードボイルドな世界観。そこはかとないクトゥルー匂わせ。傑作です。アレクサンドラ・ダダリオの濡れ場が凶悪にエロいことでも一部界隈で話題に。

Season.2

TRUE DETECTIVE

お薦め度 ★★
コリン・ファレル、ヴィンス・ヴォーン、レイチェル・マクアダムス、テイラー・キッチュ

カリフォルニアで発見された市幹部の死体の真相解明をめぐる物語。
州、郡、市のそれぞれ思惑の異なる組織をバックボーンに持つ捜査官3人+マフィア1人が主人公格。

シーズン1が猟奇殺人ならシーズン2は闇の組織との闘いって感じでしょうか。ノリとしてボーダーライン的な…アクション要素はパワーアップしているが世間的には概ね不評な模様
オープニングがかっこいい

Season.3

TRUE DETECTIVE

お薦め度 ★★★
マハーシャラ・アリ、スティーヴン・ドーフ

1980年アーカンソー州に起きた子どもの失踪殺人事件を発端にヘイズ捜査官(マハーシャラ・アリ)の1980年、1990年、2015年の三つの時代が描かれる

シーズン2の評価が悪かったからかどうかは知らないがシーズン1のような過去の事件の捜査に関する聞き取りという形態が復活

三つの時代が同時進行で語られ、時々、どの年代かわからなくなる。
(1980年と1990年は基本マハーシャラ・アリの髪型判断なので、アレ?どっちだったかな?スティーヴン・ドーフがオールバックだし1990年か…みたいな) さらに2015年の主人公は高齢で記憶障害があるため話がややこしい。けどまぁ最終的には意外と腑に落ちる内容

時々、被差別意識で意固地にも見えてしまうヘイズ捜査官だけど1980年の彼をとりまく境遇や背景を考えれば当然。
少し時代はずれるが、以前見た「ゴッド・セーブ・テキサス」というテキサス州のドキュメンタリーで黒人の人がファミリーヒストリーを説明するときに
「私の曾祖父は〇〇で、彼の所有者は▲▲」
と語っていて人間に所有者がいるという圧倒的な隔世の感を覚えたのですが、そういう社会だったのだろうなぁと。実際そういう登場人物もいたし。

オープニングがシブい。

それにしてもマハーシャラ・アリのブレイドはどうなったのか

Season.4 Night Country

TRUE DETECTIVE

お薦め度 ★★★★
まさかのジョディ・フォスター!

極夜で1日中太陽が出ないアラスカ州エニスを舞台に8人の科学者の失踪事件の真相を究明する刑事の物語。

レクター博士もビックリに違いない「羊たちの沈黙」をしのぐインパクト大の死体は必見!

極寒で殺人事件といえば「ウインド・リバー」を思い出すけど(あれはワイオミング州でしたが)寒冷地独特の孤立無援、無法地帯感は南部アメリカとは違ったまた別のヒリヒリ感がありますね

Night Countryは全6話と短いのでお手軽なんですが
今シーズンはかなりオカルト味が増し増しなので好き嫌い分かれるかも。
そんでもってホラーテイストの中、いままでのシーズンになかった笑い要素もあったり。

説明できないような超自然的な事件に対して人為的なオチがつくのを期待していただけに、つまるところ何だった感がないこともない。


このTRUE DETECTIVEシリーズ、シーズン5も計画されているようなのでこの超自然的なノリで進むのか
次はどんな大物俳優がキャスティングされるのか
どんな死体が見れるのか。もろもろ楽しみです


Amazonでは現状シーズン1~3まで。シーズン4は日本では今のところU-NEXT独占かも
TRUE DETECTIVE(Amazon)
TRUE DETECTIVE(U-NEXT)

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2024/12/02

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