物語が終始 ボーに起きたこと、ボーの過去、ボーの妄想と
ボーの認知外の事は描かれずボー視点のみで進み、かつ精神疾患の症状を抑えるため
強力な薬物服用下であるため
現実なのか妄想なのか判別できず語り部が信用できない面もあるが
章ごとの区切りはボーが意識を失って切り替わるし
ボー主観の物語なのは間違いない
その「主観」を見た感想としては
母親の支配から最後まで抜け出せなかった男の話だなと思った
物語が進むにつれて明らかになる母親の監視・コントロールはもとより
冒頭に配給会社、制作会社と共に母親モナの所有する会社ロゴ「mw」が表示されるところからして
(息子の)映画そのものさえ母親の所有物であると宣言されている
最終章で登場する社員達で構成された母親の写真パネルなんて
トゥルーマン・ショー(1998)やデヴィッド・フィンチャーの
ゲーム(1997)を思い出した。
私がアリ・アスター作品を見て一貫して思うのは
アリ・アスターの家族観怖いな。
と
不意に現れる
チンコ丸出しの知らないおっさんが
この世で一番怖い。
であり
ヘレディタリーに続き今回も真っ裸の
おっさん効果的に使ってきたなぁと感心した。
それどころか今回は巨大チン…
映画は現実と妄想の境界が曖昧なままアリ・アスター汁濃度120%で展開されるので
激重なんだけど中盤のトリップ感は不思議と心地よくもあった。
ちなみにX(旧Twitter)で「ボーはおそれている」公式が
「アリ・アスター監督は本作のプレミアにお母様を招待しており、本編を楽しまれたそうです。」
とつぶやいており、それはそれで狂気の沙汰だなぁと思った。
ヘレディタリー、ミッドサマーと大成功して
今回は自由に作っていいぞと
コレが出来上がったのであろうが
日本以外の興収は惨敗らしいので
次作はヘレディタリー、ミッドサマーぐらいのわかりやすい作品に戻すのでは。たぶん。
とはいえ、こういう
謎作品の製作総指揮してたりで油断ならない。
(アリ・アスター、次回監督作もホアキン・フェニックス主演で「
Eddington」というタイトルらしいです)