悪魔が私に殺させたThe Devil on Trial

トゥルーホラー/悪魔が私に殺させた
トゥルーホラー/悪魔が私に殺させた(2023)
Netflix ドキュメンタリー

『悪魔に取りつかれた少年、そして彼の周りで起きた残忍な殺人事件。再現ドラマとホームビデオの映像を通して、その真相を検証するダークなドキュメンタリー。』

映画『死霊館』はご存じでしょうか。
『死霊館』は、超常現象研究家のウォーレン夫妻の「実際」に体験した事件をベースに製作された映画でスピンオフ等含めると現在9作品も製作されている大人気ホラー映画シリーズ。
そのシリーズの第8作目『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』で描かれた
「アーニー・ジョンソン事件」や「悪魔が私にやらせた(Devil Made Me Do It)事件」として知られる1981年に起こった殺人事件の顛末を追ったドキュメンタリーが
今作『トゥルーホラー/悪魔が私に殺させた』です。

まず先に、私の超常現象・心霊に対する見解を述べますと、
フィクションとして楽しむのは大好き大好物
実際に存在するかどうかで言えば「まだ信じていません」です。
ホラー映画作品にハマり物語の背景を深掘りするほど、超常・心霊的な現象に懐疑的になり霊能力者・聖職者がうさん臭く見えてしまう今日この頃。
トゥルーホラー/悪魔が私に殺させた

ウォーレン夫妻とは

1970~80年代、コネチカット州を拠点に数々の心霊現象研究に取り組みアメリカのお茶の間をにぎわした夫妻。
夫エド・ウォーレン(心霊・悪魔研究家)、妻ロレイン・ウォーレン(霊視能力者)の二人。
彼らの関わった事件の一つ「アミティビル事件」は1979年に「悪魔の棲む家(The Amityville Horror)」として映画化され一躍有名になった。
その他の事件もジェームズ・ワン一派によって続々映画化。

悪魔の棲む家悪魔の棲む家
(アミティビル事件)
死霊館死霊館
(ペロン一家事件)
死霊館エンフィールド事件死霊館 エンフィールド事件
(エンフィールド事件)
アナベルアナベル 死霊館の人形
(アナベル人形)
ちなみにアミティビル事件は家主と弁護士の金銭目的の虚言であることが判明しているし、「アーニー・ジョンソン事件」でも書籍出版にあたり金銭関係で親族と揉めている。
そもそもアミティビル事件を虚言だと見抜けず『アミティヴィルの恐怖』として出版してるわけで、あとの事件も信頼性の乏しい話だ。映画作品のさわやかなイメージとかけ離れた何とも怪しい夫妻である。


事件の大まかな流れとしては

少年デヴィッドの悪魔憑き事件をウォーレン夫妻が解決
 
悪魔祓いの時にデヴィッドから姉デビーの恋人アーニーに悪魔がお引越し
 
アーニーが上司アレンと口論になりアレンを刺殺
 
アーニーの弁護士が「悪魔のせい」と主張しようとするも裁判官が却下
 
主張を正当防衛に切り替える
 
懲役刑(悪魔のせいじゃないので有罪)
 
受刑態度が良好だったのか5年ほどでアーニー出所(デビーと獄中結婚)

というわけで既に刑務所を出所した加害者アーニーのインタビューもあるものの、なんか「悪魔のせいだったし俺だって被害者」みたいな態度で終始モヤモヤします。

彼だけでなく、中盤までは「悪魔憑きがあった史観」で展開されるのでコレずっと聞かされるのか…と辟易するわけですが

後半、「家族も普通じゃなかった」&
怒涛の「実際のウォーレン夫妻マジで胡散臭い」話が展開されるので乞うご期待!

ドキュメンタリーは視点の中立性が重要であり
弱者側からの告発なんてもの、つまるところ公平性を保つための行為だと思うわけです。
そういう意味でも『死霊館』好きの方は是非『トゥルーホラー/悪魔が私に殺させた』を!

人怖系ホラーとしてみれば今作も十分怖いよ。

トゥルーホラー/悪魔が私に殺させた
https://www.netflix.com/title/81487924

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2024/03/26

市民が見たウクライナ侵攻 家族たちの2年nhk bs special

市民が見たウクライナ侵攻 家族たちの2年 それぞれの闘い
BSスペシャル
市民が見たウクライナ侵攻 家族たちの2年 それぞれの闘い
初回放送日: 2024年3月18日

市民の自撮り映像でウクライナの戦時下の暮らしを伝える。戦争が長期化し出口が見えない中、人々はどのような思いで侵攻開始丸2年を迎えるのか、モノローグと映像で描く。

■ ウクライナに住む両親と離れてアメリカで暮らすマリーナ・コヴァレフスカさん
■ 戦場で負傷した夫ヴァシルさんを支える妻ヴィクトリア・ミラーさん
■ 兵士として志願するか葛藤する青年ドミトロさん
■ 精子凍結という選択肢を選んだ夫婦、妻イリーナ・トカチュックさんと夫オレシさん

ある日、夫が両脚を失って稼ぎ口はなく、
補償も受けられない
車椅子で生活するためのバリアフリーの家もない

ロシアの軍事侵攻に苦しむウクライナの「人々」。と、十把一絡げに認識してしまいがちだけど
その「人々」一人一人に人生があり、家族がいて、葛藤があることを浮き彫りにするのがドキュメンタリーの意義であり「テーマが重い」と食わず嫌いせず「見て」モヤモヤすることが大事だと思うのです。


トカチュック夫妻の記事はこちらでも

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2024/03/20

市民が見た戦乱のガザnhk bs special

NHKはこういう番組を地上波ゴールデンに流せと思ってる今日この頃。
でもまぁ日本のテレビ局でパレスチナの人々の現状を(ニュースの1コーナー程度じゃなく)ちゃんと伝える番組放送するのNHKぐらいだし頑張ってはいるんだろうけど。

市民が見た戦乱のガザ 12月
BSスペシャル
市民が見た戦乱のガザ 12月
初回放送日: 2023年12月28日

2023年10月7日ハマスのイスラエル奇襲を機にハマスとイスラエルの軍事衝突が始まって3か月。
外国メディアも立入りを制限され通信も途絶えがちなガザの内情を市民が撮影した自撮り映像で伝える。

■ガザ地区で市民の状況をSNSで発信する活動をしているITエンジニア、アハマド・アルマドホンさん。
■大学留学中でエジプトで暮らすガザ地区出身ウダイ・アブシャマーラさん。
■ガザ地区デイルアルバラに暮らす大学生マヤル・ナティールさん。
■ヨルダン川西岸地区ベツレヘムに暮らすアラビア語教師サエド・ズブゥンさん。

それぞれ異なる立場からガザ地区や西岸地区パレスチナの人々の状況が映し出される。そして…


市民が見た戦乱のガザ〜イスラエル編〜
BSスペシャル
市民が見た戦乱のガザ〜イスラエル編〜
初回放送日: 2024年3月7日

「ガザ 12月」と対になる形で放映されたのが、このドキュメンタリー。
■イスラエルに暮らすキリル・クラヴゾフさんと日本に一時避難している木村リヒさん夫婦。
■10月7日の事件で両親を失ったマオズ・イノンさん。
■ニューヨークに暮らすユダヤ系アメリカ人大学生グレーシー・グリーンバーグさん。
■2014年のガザ地区軍事侵攻に参加した元イスラエル兵士アリエル・バーンスタインさん。

イスラエルに暮らす市民の視点で揺れ動く人々の心情が描かれる。

二つの作品を見てまず印象に残ったのは死者数だ。

12月末の放映時点でガザ地区死者は2万人超と言及されていたが
3月放映の「イスラエル編」ではガザ地区死者は3万人超。どんだけ増えてんだ。いまやガザ地区総人口の1.5%が死んでいる。イスラエルで1200人超を殺害したハマスの奇襲攻撃は非難されるべき行いだけど、それにしたって…

そもそも憎悪の連鎖こそハマスの思うつぼではないか。
かつてホロコーストを経験したユダヤ人が建国した国に「天井のない監獄」があるのは何とも悲しい話だ。
願わくば早期の停戦。普通の人々に普通の生活が訪れますように。

「שָׁלוֹם」「السلام」「peace」


2024年3月18日には
市民が見たウクライナ侵攻 家族たちの2年 それぞれの闘い」も放送予定だそうで。

遠い国の事でなく、同じロシア隣国同士。日本から国境を二つ跨げばもうウクライナ。市民が見たシリーズ見ましょう

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2024/03/15

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